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Part 13 要旨の書き方【おしえて論文作成】

1. 要旨の重要性

今回は、要旨の重要性についてご紹介します。
要旨とは、論文全体の要約であり、各セクションで重要なことがまとめられたものです。
要旨で報告すべき内容として、研究を行った理由、研究の方法、結果や新規性、そして意義が挙げられます。
要旨は読者が最初に目にする部分であり、本文を読む、あるいは論文を購入するか判断する材料となるため、非常に重要です。

また、ジャーナルによっては要点を箇条書きで示したハイライト (要点)
やキーワードの記載が求められます。特に、キーワードは検索でヒットしやすくすることを目的としているため、検索エンジンで文献を探す際や、読者が論文を読む際に何に注目すべきかの手がかりとなります。
したがって、要旨は論文の第一印象を左右するものだと言えます。

2. 要旨の文法的注意点

続いて、要旨の文法的な注意点をご紹介します。

一般的に科学的な文章では、weを主語として著者の立場からコメントすることは避けられています。しかし、要旨では非人称名詞を受動態で使うよりも、weやourを使うことが多いです。そのメリットとして、下の例文の例1のようにweを主語とすることでセンテンスが読みやすくなるほか、直接的・具体的になることで内容がわかりやすくなります。

例1: We have found a new approach to X
例2: A new approach to X has been devised.

また、要旨の中で使われる時制は、現在形と過去形が多いです。論文の内容や一般的概念、実験で実現できたこと、結論は現在形が使われ、実験で得られた結果には過去形が使われます。現在も続いている事柄や、それまでの文脈や背景については、現在完了形が使われます。

これらのテクニックを使い、物事の時系列や関連がわかりやすくなるように工夫しましょう。

3. 要旨の構成

次に、要旨の構成についてご紹介します。
要旨に特徴的な構成として、構造化要旨があります。これは全体をいくつかのセクションに分け、各セクションに見出しを付けたものです。
見出しは、背景 → 目的 → 方法 → 結果 → 結論などの順になっており、医療系が発祥ではありますが、現在は多くの研究分野で採用されている形式です。投稿先が構造化要旨を採用していない場合であっても、内容を整理するために構造化要旨に準じた順序で要旨を作成することをおすすめします。

また、要旨で述べてはいけないこととして、常識的な研究背景や、エビデンスに基づかない主張、専門的または一般的過ぎる用語、数式、他の論文への言及などが挙げられます。これらの項目は冗長になり、限られた語数の中に必要な情報が入らなくなるという弊害ももたらします。

以上より、要旨では、限られた語数の中で効率的に情報を盛り込むことが重要です。

4. 要旨作成のポイント

最後に、要旨を作成する際のポイントをご紹介します。

冗長な箇所が多いと、読者がネガティブな印象を持つ可能性が高くなります。要旨を読む際、読者は論文のテーマを早く知りたいので、研究背景は長く書きすぎず、要旨の最初で研究内容を単刀直入に紹介することが望ましいです。冗長さを削減する方法については、このweb記事の第7回で紹介しておりますので、ぜひご参照ください。

また推敲を行う際は、読者のことを大切に考え、読みやすさを第一に考えるようにしましょう。
具体性に欠ける抽象的な言葉や、あいまいな表現は使用せず、要旨に使われるすべての語句が価値を提供しなければなりません。冗長さを削減することも大切ですが、完成した要旨を専門外の人に読んでもらい、内容が理解できるか確認してもらいましょう。
情報が不足していることも、読者がネガティブな印象を持つ原因となりますので、要旨だけでも、この論文でどのような研究結果が得られたのか、ある程度理解できるようにすることが大切です。