Part 19 結論の書き方【おしえて論文作成】
1. 結論の構成
今回は、結論の構成についてご紹介します。結論は単なる要約ではなく、論文からわかったことが未来に及ぼす影響をまとめる場所です。そのため、結論では以下のポイントを盛り込むことが重要です。
- 結論では下記のポイントの内1つ以上を取り上げる
- 重要な研究成果を繰り返し、今後の発展について述べる
- 研究成果の重要性を述べ、他分野への応用可能性に言及する
- 研究限界や改善のための提案
- 将来の研究への提言 (著者自身やコミュニティに向けて)
- 政策転換に向けての提言
研究の今後の発展や他分野への応用可能性、研究限界や残された課題、さらには今後に向けた提言などが挙げられます。また結論の作成にあたり、様々な情報を取り上げることになりますが、これまでに行った研究は過去形、論文の執筆時は現在完了形、そして今後の展望は未来形と時制で区別することにより、時系列をはっきりさせることが大切です。論文からわかったことが未来に及ぼす影響をまとめましょう。
2. 他のセクションとの違い
続いて、結論と他のセクションとの違いをご説明します。結論と内容が被りやすいセクションとして、要旨、序論、考察が挙げられます。まず要旨や序論との違いですが、結論では読者がすでに論文の背景や結果について理解しています。
そのため、背景の詳細な説明は避け、最も重要な成果を再確認するとともに、研究限界など付加価値のある情報を示すことが大切です。
また考察のまとめとの違いですが、投稿規定を確認し、結論のセクションがある場合は、論文全体をまとめるコメントは考察ではなく結論に記載するようにしましょう。考察の締めくくりはあくまで一考察に過ぎないことに気を付けてください。結論の内容と要旨、序論、考察の内容には適切な差をつけることが重要です。
3. 結論における表現テクニック
次に、結論における表現テクニックをご紹介します。
結論が冗長にならないよう、要点を端的に示し、結論を簡潔にまとめることが大切です。
下の例文をご覧ください。悪い例ではメイントピックの前に“we have shown that” という読者にとっては何の意味も持たないワードが入っています。良い例では、メイントピックが端的に示されており、インパクトが増しています。
悪い例: We have shown that the helix structure of X reveals that ….
良い例: The helix structure of X reveals that ….
期待していたほど素晴らしい結果が得られなかった場合には、結果を過小評価せず、将来の可能性につなげる表現を使うことが重要です。明確な結論を示すことができない時は、今回生じた問題から学んだことを述べましょう。また将来の研究のための現実的かつ具体的な戦略を示し、読者に対する説得力を高めましょう。
結論の締めくくり方としては、①他の分野への応用可能性、②将来の研究についての展望、③今後に向けた提言や推奨を述べる3パターンが典型的です。要点を端的に述べ、今後の展望につなげましょう。
4. 謝辞の書き方
最後に、結論とともに書かれることが多い、謝辞の書き方についてご紹介します。謝辞では、研究資金提供者のほか、専門的サポートやアイデア、提案、解釈を提供してくれた人への感謝が述べられます。また、匿名で査読者への感謝が述べられることもあります。
論文の他の部分と異なり、謝辞ではI, weなどの一人称を使用できます。謝辞は論文の内容とは直接関係のない部分ですので、できるだけ簡潔に述べましょう。