Part 3-1 パラグラフの構成を考えようー重要な情報はどこに置く?ー【おしえて論文作成】
1. パラグラフとは
パラグラフとは、日本語でいう「段落」のことであり、内容的に関連のある複数の文の集まりで、それによって1つの考えを表現するものです。
2. 各セクションの最初には、重要な情報を提示する!
読者は論文を最初から順番に読んでいるとは限らないため、以下の方法が効果的です。
| 1つ目: | 序論や考察などの各セクションの最初に論文の目的や結果を1~2文で要約する。 例) Our aim is to provide…. |
|---|---|
| 2つ目: | セクション全体の構成を示す。 例) In this section, we define our approach…. |
| 3つ目: | 単刀直入に結論を述べ、その重要性 (何が得られたか) を続ける |
特に短い論文においては、そのセクションで伝えたい結果や仮説などの重要な情報を第1パラグラフで単刀直入に述べ、それに続いてその重要性を説明するというアプローチもよく使われます。
つまり、第1パラグラフは、重要な情報を提示する場所になります。ジャーナルによっては上述したアプローチが使われていない場合もあるため、自身が投稿するジャーナルの掲載論文を確認し、どのような文章展開が好まれるかを調べておきましょう。
3. パラグラフの第1文の主語の選び方
主語は文の最初に登場するため、強調したい要素を主語にするのが適切です。
文やパラグラフの最初は「トピックポジション」と呼ばれ、読者はここにトピックとなる情報が登場することを期待しています。
また、読者の意識は、トピックポジション、文頭の大文字、ピリオドの前後に集中する傾向があると言われていることからも、主語に強調したい要素を使うことは効果的だということが分かります。
通常、トピックポジションに位置する、各パラグラフの第1文の主語には最も新しい情報が選ばれますが、前後の情報をトピックポジションに置くことで、理解が促進されることもあります。
したがって、トピックポジションには、伝えたい内容を最もよく表す要素を置くべきだと言えます。
4. 新規の情報と既知の情報 (文中での配置)
ここまで、トピックポジションにはその文やパラグラフのテーマとなる要素を置くべきだということをお伝えしてきましたが、新規の情報と既知の情報をあわせて紹介する場合はどのようにしたら良いのでしょうか?
読者は文の最初と最後に注目する傾向があるため、重要な情報を長い文の中央に置いてしまうと、読んでもらえない可能性があります。
そこで、接続詞を使って新規の情報と既知の情報を対比させるテクニックをご紹介します。
1つ目: Though
例) English is studied by many people, though this number….
最初に既知の情報が提示され、新規の情報をthoughの後ろに導入しています。
2つ目: Although
例) Although English is studied by many people, this number…
文頭にalthoughがあることから、文章の後半で新規の情報により既知の情報が修飾されていることを直ちに知ることができます。
3つ目: Still
例) Although the importance of Chinese is…,1.1 billion people still study English.
前半の情報は読者がすでに知っていることを前提に、still (それでも)
という言葉で新規の情報に焦点を当てています。
このように、1つの文の中で新規の情報と既知の情報をあわせて紹介する場合は、語順や接続詞を工夫し、注目してほしい情報を重み付けすることが重要です。
5. 新規の情報と既知の情報 (パラグラフ中での配置)
続いて、パラグラフの中で新規の情報と既知の情報をあわせて紹介する際の構成方法についてご紹介します。
論文でよく見られるパラグラフの情報展開パターンを3つ示しました。
1つ目: 既知の情報→新規の情報→問題提起
今回発表する研究に至るまでの経緯が丁寧に説明されているため、序論に向いています。実際に多くの論文で使われているテクニックです。
2つ目: キーワードを提示→新規の情報 (問題提起)→研究の目的と結果
読者が研究の背景をある程度知っていることを前提とし、既知の情報を説明する必要がないと判断して作られた文章であるため、専門誌の要旨や序論に向いています。
3つ目: 新規の情報のみ
読者がある程度の知識を持っていることを前提としていますが、直ちに読者の興味を引くことに特化した内容であるため、専門誌や学会の要旨に向いています。
このように情報展開には様々なパターンがありますが、どのパターンを選ぶかを決める際に考慮するべき要因が2つあります。
1つ目: 論文のどのセクションを書いているのか
2つ目: そのパラグラフで達成したいことは何か
この2点を考慮し、パラグラフの内容や目的に適した情報展開パターンを選びましょう。