Part 4 長いセンテンスを分割しよう【おしえて論文作成】
1.なぜ長いセンテンスを書いてしまうのか
はじめに、なぜ長いセンテンスを書いてしまうのかということを考えたいと思います。
前回、パラグラフでは意味のまとまりを考慮し、理解しやすく分割することが大切であるとご説明しました。しかし、パラグラフを構成する1つ1つのセンテンスが長いと、その効果も半減してしまいます。読者の立場になって考えると、さっと1回読んだだけで理解でき、論理展開を追いやすいセンテンスが読みやすいと感じるのではないかと思います。
では、なぜ書く立場になると長いセンテンスを書いてしまうのでしょうか?
その要因として、難しい概念を入れようとすること、論理的な展開に欠けること、難しい言い回しを使おうとしてしまうことなどが挙げられます。1つのセンテンスの長さは、一息で読めるかを目安として、おおよそ25語程度に留めると読みやすいと言われています。
2.センテンスを短くすることのメリット
続いて、センテンスを短くすることのメリットを3点挙げます。
1つ目は、加筆や順序の入れ替えなど、修正が容易になるということです。1つ1つのセンテンスが短いと、加筆してもセンテンス全体が長くなり過ぎず、センテンスの順序の入れ替えも容易です。また、センテンスを統合する必要があるときも、編集が簡単です。
2つ目は、センテンスが短くなると、必然的にキーワードを繰り返すことになるため、読者の注意を引き付けられるということです。キーワードを繰り返し使うことは、テクニカルライティングの技法の1つであり、そうすることで、読者はキーワードを頼りに、ロジックの流れを追うことができます。
3つ目は、理由や手順を整理しやすいということです。研究の目的や方法を記述する際、理由や手順を採用した根拠を補足すると、センテンスが長くなりがちです。そこで、実際に行ったことと、その理由や根拠を別のセンテンスに記述することで、読者が理解しやすくなります。
このように、1つのセンテンスに含まれる情報を絞ることで、内容の理解や整理が容易になります。
3.接続詞句に関する分割テクニック
センテンスを短くすることのメリットをご理解いただいたところで、ここからは長いセンテンスを分割するテクニックをご紹介致します。
まずは、接続詞句に関するテクニックを3つご紹介致します。1つ目は、andやas
well asなどの情報を追加する接続詞句を用いたセンテンスの分割です。
- ①All samples were collected at 9 AM and then stored at ….
- ②All samples were collected at 9 AM.
They were then stored at ….
①の例文のように、これらの語句の前でセンテンスを区切ることができます。分割した後半のセンテンスには、追加情報があることを暗示する語句を入れるのも良いでしょう。
2つ目は、主題を補足するwhich節の分割です。②の例文のように、whichを使わずに、thisを単独もしくはその後に出てくる名詞と組み合わせて主語としたセンテンスを分離することができます。
- ①The coastal area which was characterized by high levels of ….
- ②… the coastal area. This area is characterized by high levels of ….
3つ目は接続詞と分詞でつないだセンテンスの分割です。センテンスが長くなってしまう場合は、接続詞の前後でセンテンスを分けた方が読みやすくなります。
- ①Using the software can … thus saving them money.
- ②Using the software can …. Such software saves them money ….
こちらの例文では、1つ1つのセンテンスが短くなり読みやすくなっただけでなく、キーワードである”software”が繰り返し登場することで、読者の注意を引き付けられるかたちになりました。
ここまで紹介したテクニックは、適用できない例外も存在しますので、使用する際はその都度文法上問題がないか確認するようにしてください。
記号に関する分割テクニック
最後に、記号に関するテクニックを3つご紹介致します。1つ目は、コンマを用いたセンテンスの分割です。コンマは複数の事柄を列挙したり、並列したりするときに用いますが、多用するとセンテンスが長くなるほか、思考の流れが分断される原因となります。センテンス内で取り上げている要素の関連性や意味のかたまりを考慮し、以下の例文のように適宜センテンスを分割することが大切です。
- ①Using the software can … thus saving them money.
- ②Using the software can …. Such software saves them money ….
2つ目は、セミコロンやコロンを用いたセンテンスの分割です。セミコロンは現代英語ではあまり使われない傾向にあり、物事を列記してお互いの関連性を示すときだけに用いられます。
セミコロンやコロンは、新しい情報を追加するために用いられることが多いですが、センテンスが長くなる場合はピリオドに置き換えて新しいセンテンスを始めた方が読みやすくなります。
最後は、括弧を用いたセンテンスの分割です。括弧の中の情報が多くなるとセンテンスが長くなってしまいますので、具体例を短くリストアップする際などに使いましょう。