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Part 9 研究限界の書き方【おしえて論文作成】

論文では、データの妥当性を示すために、自分にとって不利な点についても正面から対峙しなければなりません。
読者が結果を理解するために十分な情報を提供し、論理的に問題を解決することが大切です。

そこで今回は、研究の限界を開示する方法や、否定的な結果の上手な示し方をご紹介します。

1.研究限界は前向きに開示する

悪い例: The limitation of this paper is that the two survey were unfortunately not conducted in the same period.
良い例: Although the two surveys were not conducted in the same period, this will only affect our results in terms of ….

研究限界は著者にとっては否定的な結果かもしれませんが、否定的な言葉は使わずに事実を客観的に報告することが大切です。他の研究者が論文を読んで、あなたの研究から学べるように建設的に限界を提示するようにしましょう。
上記の悪い例の例文では、limitationとunfortunatelyというネガティブな言葉を重ねて使用しています。一方良い例の例文では、肯定的な内容が続くことを示唆するalthoughを使用し、onlyを使うことで否定的な度合いを軽減することで、否定的なトーンを緩和しています。

研究には不確実性がつきものであり、期待した結果ではなかったとしても、適切に行われた研究の結果であれば、データの質が悪いわけではありません。
研究に何らかのミスはなかったのか、研究の方法に限界がなかったかを提示することで、研究の妥当性を示すことが大切です!

2. 研究限界を示すスタンス

研究限界は、自分の研究を過大 (過小)評価しないよう、公正公平に記載することが重要です。
そうすることで、論文の説得力がグッと増します。

どのような限界だったのか、その意義を明確に説明するために、以下のポイントをおさえることを意識してみましょう!

  • 研究限界が生じた理由、結論にどのような影響を及ぼしたのかなどを説明する
  • 正直であること、明確であること、必要に応じて対応策を示す
  • 著者が研究限界の直接的責任を負わずに済むよう、受動態や非人称形 (It) を用いる
  • 自分の主張を和らげるため、自分のデータに対する解釈の代替案を示す

3. 研究限界が生じた理由の説明

研究限界が生じたとき、いかなる場合であっても理由をしっかりと説明することが重要です。

技術上の問題に関連する研究限界には、同じような研究限界を経験した研究者が他にもいることを紹介し、その文献を引用することがアプローチの一つとして挙げられます。
また、現在の理論やモデル、テクノロジーでは問題を解決できないことを多面的に説明するのもよいでしょう。

データに関連する研究限界としては、データの収集時と現在では状況が異なる可能性がある場合や、研究データの量が不足している場合などが挙げられます。
研究しなかったデータについては、考察や結論のセクションで背景や理由を説明しましょう。

4. 研究限界で著者の意見を述べる場合

研究限界で著者の意見を述べる場合についてお話いたします。
研究データをどのような観点で解釈、判断して欲しいかを読者に伝える方法として、研究結果を客観的に提示することが挙げられます。
以下に示した3つの例文では、慣用的な表現の他に、所有格を使わずに研究データを主語にして客観的に表現する手法が用いられています。信頼性の高い客観的な文を書くことで、読者を議論に巻き込みやすくなります!

例1: In this view, these data may mean that ….
例2: From an X point of view, the results can be interpreted ….
例3: These data indicate that ….

最後に、研究限界を述べる際の注意点として、論文の最後に提示しないことが挙げられます。
論文の最後は、研究成果の有用性や応用可能性、研究の将来の発展可能性など、肯定的な言葉で締めくくることが望ましいです。