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第2回テーマ: 食事調査法の利点と欠点

第2回テーマ: 食事調査法の利点と欠点

栄養介入研究において、対象者の食事摂取状況をいかに正確に把握するかは、研究の質を左右する重要なポイントです。介入効果を適切に評価するためには、目的や対象集団の特性に応じた食事調査法を選択し、それぞれの調査法の特性を理解したうえで運用する必要があります。

現在用いられている主な調査法として、「食事記録法」「24時間思い出し法」「食物摂取頻度調査法」、そして弊社が開発した「CAND」などが挙げられます。

本コラムでは、それぞれについて、利点・欠点・注意点をまとめました。

1. 食事記録法

対象者が摂取した食品や飲料をすべて記録する方法です。実際に重量を計測し記録する「秤量記録法」や、計測はせず茶碗1杯、大さじ1杯などの単位や目視推定で記録する「目安記録法」があります。

  • 利点
    摂取した食品をその都度記録するため、エネルギーや各栄養素摂取量を比較的正確に算出することができます。また、日内変動や食事パターンの把握にも適しています。
  • 欠点
    対象者の負担が大きいため記入漏れなどが生じやすいです。また、記録すること自体が食行動を変化させてしまう問題もあります。
  • 注意点
    記録日数が3日間などの場合は、曜日差を考慮し平日と休日を含める設計が望ましいです。

2. 24時間思い出し法

対象者に対して、食事調査開始の24時間前、もしくは前日に摂取したすべての食品や料理の内容、重量を調査担当者が聞き取り、その内容を調査担当者がすべて記録する方法です。

  • 利点
    調査員が聞き取り記録するため、対象者の負担が比較的少ないです。また、短時間で実施できるため、大規模研究にも適しています。
  • 欠点
    対象者の記憶に依存するため、過少・過大申告が生じやすいです。また、調査員の技量によるばらつきも課題になります。
  • 注意点
    1回だけではなく複数回実施し、統計的に通常摂取量を推定することが推奨されています。
    聞き取り方法の標準化の徹底と、食品モデルや写真などの資料の活用が精度向上につながります。

3. 食物摂取頻度調査法 / Food Frequency Questionnaire (FFQ)

対象者が過去1か月、3か月、1年などの一定期間について① 食物リスト、② 摂取頻度、③ 1回あたりの平均的な摂取量 (目安量) の要素を含んだ質問票に自記式で回答する方法です。

  • 利点
    数日間の記録では捉えにくい慢性的・習慣的な摂取傾向を把握することができます。また、質問票の配布や回収が容易であることやコストが比較的低いことから、大規模研究に適しています。
  • 欠点
    過去数か月~1年の摂取状況を思い出す必要があるため、対象者の記憶に左右されます。
    質問票に含まれていない食品を摂取した場合は評価が出来ないため、文化や地域特性に合わない質問票の場合は妥当性が低下します。また、過少・過大申告が生じやすいです。
  • 注意点
    対象集団に適した妥当性確認済みの質問票を用いることが重要です。
    ベースラインの食習慣の把握や食習慣による層別化には適していますが、介入前後の微細な変化の評価や正確な栄養素量の算出には適していません。

4. CAND (Calorie and Nutrition Diary)

対象者が前日の食事内容を振り返り、用意されている料理・食品リストから摂取したものを選択し、直感的な目安量で記録する方法です。

  • 利点
    「グー・チョキ・パー」など手の大きさを基準にした摂取量評価のため、計量する必要がなく料理に馴染みのない方でも直感的に記入することができます。
    多様な料理分類と実際の臨床試験データを基に作成された料理データベースを用いているため、加工食品や中食の増加によって記録精度が低下しやすいという従来の食事記録法の課題に対応しています。
  • 欠点
    CANDは「カテゴリー化された料理名を選択し人前で量を入力」する方式のため、より定量性の高い評価が必要な場合は秤量記録法などと組み合わせる必要があります。
  • 注意点
    「直感的な目安量 (グー・チョキ・パーなど)」を使った入力方式のため、記入方法を正しく理解してもらうために事前の説明が必要です。また、CANDのみでも栄養素の摂取量を算出することは可能ですが、より正確な摂取量を評価したい場合は、他手法との併用が必要です。

このように、食事摂取状況を把握するための調査法にはそれぞれ特徴があります。そのため、研究の目的や対象集団の特性、対象者の負担などを総合的に考慮し、最適な調査法を選択することが大切です。栄養介入研究の質を高めるために、それぞれの調査法の特性を十分に理解し、適切に運用しましょう!

【本コラムのまとめ】

  1. 栄養介入研究では、適切な食事調査法の選択と運用が研究の質を左右します。
  2. 各調査法の特徴は以下の通りです。
調査法 特徴
食事記録法

利点: 栄養素を正確に記録できる

欠点: 対象者の負担大

24時間思い出し法

利点: 対象者の負担少で短時間、大規模研究向き

欠点: 過少・過大申告が生じやすい

FFQ

利点: 習慣的摂取傾向を把握、大規模向き

欠点: 過少・過大申告が生じやすい

CAND

利点: 直感的に記録可能、加工食品対応

欠点: より定量性の高い評価には他手法との併用が必要

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